宝石鑑定問題を日本テレビが放映予定 2002年7月2日
宝石の鑑別やダイヤの鑑定は、業界内ではGIA GGやFGAが行なうことが当然のルールとなっているが、国家資格ではない。そこで、独自に宝石鑑定士の資格を作り、ダイヤモンド鑑定書を発行する会社が現れた。日本テレビでは、この問題を取り上げ、消費者保護の立場から、宝石の鑑別やダイヤの鑑定はどうあるべきかを放映する予定で、現在調査中。


新技法サファイアの新コメント表記 2002年6月10日
5月31日付のAGTAの発表によれば、GIAの主催で開かれた、GIA、AGTA、タイ宝石研究所、SSSFスイス宝石研究所、ジョーン・エメット博士(結晶化学社長)、ジョージ・ロスマン博士(カリフォルニア工科大学鉱物学教授)との合同会議の結果、新技法サファイアの表記方法について結論に達し、AGTAとGIAは直ちに鑑別書への表記方法を変更したと発表した。
第1に、色変化が石の外縁部(rim)にあるか、内部まで浸透しているかを問わず、これはバルク・ディフュージョン(bulkdiffusion: 注.表面だけではなくある程度の厚みを持った拡散処理のことではないかと思われる)によるものであり、従来宝石学で使われてきた表面拡散処理という用語は適当ではなく、今後バルク・ディフュージョンという用語に置き換えられるべきであるとしている。この場合、処理のコメントとして、「熱処理の兆候を認め、表面から見える色はバルク拡散処理により生じたと認める*」とする。
第2に、新技法による処理中に合成物質の成長が起きている。この物質が、カットされた石にそのまま残っているとすれば、更に「合成による成長部分が存在する*」というコメントを追加する。
*コメントの訳は私個人による意訳であり、正確ではありません。今後、AGLおよびJJAによってきちんとした訳語が考えられることになるでしょう。原文は次の通りです。
" indications of heating and of surface-related color created by bulk diffusion  areas of synthetic overgrowth are present"
なお、これは主として、黄色、オレンジ・ピンク、オレンジがかった赤色のサファイアについて用いられるものであり、ブルー・サファイアには影響が無いとも述べている。
以上のことから、今年になって問題化していたパパラチャの処理に関して、エンハンスメントかトリートメントかという点については、トリートメントとすることで一応の決着を見たと考えられます。新技術が出てくれば新しい定義を考えるべきだという私の主張通りの展開になりました。


新技法サファイアは合成石? 2002年5月29日
4月19日付でAGTAはサファイア処理について最新の経過報告をしています。それによると、新しい処理法によるサファイアには通常含まれる微量元素の他にカルシウムとジルコニウムが検出されたとのことです。
また、表面が再結晶しているように見えるとも言っています。もし、そうならば再結晶宝石は定義上、合成石になってしまいます。エンハンスメントかトリートメントの問題ならば、天然石をどう解釈するかですが、合成石だとなると鑑別書を発行してはならないので、今まで発行してきた鑑別書はどうなってしまうのか、今後のAGTA報告を注視しなければなりません。


フジテレビでダイヤ悪徳商法を放映予定 2002年5月23日
フジテレビ(FNN)では午後5時からのスーパーニュースの中にあるスーパー特報コーナーで「緊急警告 生活トラブル SOS あなたはダイヤを高く買わされている」としてダイヤが悪徳商法の道具になっている実態をレポートする。放映は6月初旬の予定。


当社の報道に様々な反応 2002年4月18日
パパラチャ問題をいち早く報じてから、業界では当社のホームページを注目していると言うことです。そのせいか、ヒット数も以前の2倍以上、時には4倍の日もありました。その代わり、当社に対していろいろな働きかけが来ています。
サンデー毎日がパパラチャ問題を掲載した翌日には脅迫電話がかかってきました。「サンデー毎日にリークしたのはお前だろう。ぶっ殺してやる。なんで全宝協ばかり悪く言うのだ。中宝研の肩ばかり持ちやがって」というのです。記事の中に私のホームページのことが取り上げられていたことは事実ですが、取材はありませんでした。この件についてはサンデー毎日編集長には「取材無しで勝手に書かれて迷惑している」と抗議しました。
当社は顧客の百貨店が全宝協鑑別書を指定していることもあって全宝協の会員です。決して悪意を持って書いているのではなく、事実を書いているだけです。また、当社は中宝研鑑定書付のダイヤを販売していますが、肩を持っている訳ではありません。中宝研が過去に犯した間違いについても書いています。業界紙の記者も当社がリークしたかどうかを尋ねに来ました。「私はゆで卵という言い方はしたけれど、どら焼きなんて表現はしていない。」と答えておきました。
昨日、速達郵便が届きました。内容は次の通りです。

まことに失礼ですが、鑑別会社に勤めている者なので匿名をお許しください。
貴社のホームページをよく見ていますが、パパラチアについてはまったく同感です。また、サンデー毎日の記事も鑑別をしている者としては、ほとんど本当のことと思います。その中で、どら焼きという表現がされていましたが、この例えで言えば、薄皮饅頭がダメ(処理)で、どら焼きが許される(エンハンス)のは変です。
誰(全国宝石学協会、JJA、AGL?)が、区別する基準を決めるのでしょうか?しかもどうやって。
また、「AGT の公式見解」の「美しさに影響を与える…ガイドライン」(当社注)とは、まさにカットグレードそのものです。AGL は二重基準を認めてしまったのです。パパラチアについても同じようなこと(二重基準)にならないよう願うばかりです。
夢と誇りを持って鑑別の仕事を選んだのに、グレードやバパラチアの問題が、またうやむやにされると思うと、この職業についたことが悲しく、恥ずかしく思います。
雇われの身なので、社内で大きなことは言えません。貴社のホームぺージを見て、「そのとおりだ」とうなずいている、情けない次第です。貴社の正論に溜飲の下がる思いがします。

(当社注)これはAGLが4/12付けで関係者に送った『「サンデー毎日平成14年4月21日号」記事中の「AGT ジェムラボラトリー カット表示」のAGL公式見解について』という文書に次のように書かれている。

平成5年10月29日の理事会において  会員機関が平成6年5月1日以降にAGLカット総合評価基準を採用する場合には分かりやすい位置にAGL基準を表記すること、またカットの総合評価(カット グレード)を記することは義務付けない。ただしAGL会員がカットの総合評価をグレーディング レポートに記する場合にはAGL基準を使用するものとすることも決定されました。
AGT ジェムラボラトリーのグレーディング レポートにおける表示は、カット グレードを行っていないGIAシステムに準じるため、カットの総合評価ではなく、あくまで「美しさと原石からの歩留まりに影響を与える形のバランスに対するガイドライン」としてクラス別の用語を備考欄に記載する旨の説明を受け、理事会として確認いたしました。
上記のようにAGTジェムラボラトリーの表示については理事会で承認されております。

ちょっと分かりにくいかも知れませんが、要するにAGLはダイヤのカット表示にAGL基準を設けながら会員の独自の表示基準も認めているということです。これでは何のためにAGL基準を作ったのでしょうか。AGL は鑑別会社の「のれん会」の様な感じがします。また、サンデー毎日が取り上げた鑑別・鑑定に法的規制がないという問題について、一部野党議員が資料収集をしているという情報もつかんでいます。
ここまでを4月16日にアップロードしたところ、17日に電話で内部告発がありました。当人は卸会社の者だというのですが、その内容からして鑑別会社内部の人ではないかと思います。それはともかく、内容が重大です。
問題のパパラチャを某国立大学に分析依頼したところ、ベリリウムが認められ、表面ほどその量が多く、中へ行くほど少なくなっているということでした。もしこれが本当ならば、明らかな拡散処理の証拠になります。AGLでも独自に分析を依頼して、この問題に対する一定の結論を出せばいいと思います。








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